アルジェリア人質事件の連想

東方見聞録 山の老人 全文
                                   東方見聞録 山の老人 全文 (図上クリックで拡大)
アルジェリア人質事件の連想 

マルコポーロ「東方見聞録」の一編の記述を思い出した。
アロアディンという山の老人がアシシン<刺客>を仕立てるという話である。

10 山の老人 <要約>

ムラヒダ地方にはむかし山の老人が住んでいた。ムラヒダとは異端のすみかという意味である。マルコポーロは土地の人からその話をきいた。

 山の老人はアロアディンといった。彼は山の谷間を囲いこんで、大きく美しい庭園とし、果樹を植え、楼閣と宮殿を建て、全てに金箔をはり、あざやかな色をぬった。マホメットは楽園について、葡萄酒や牛乳、蜂蜜、水の流れがあり多くの美女がいると述べているが、老人はこれをもとに庭園をつくり、この地方のイスラム教徒はこれこそ楽園だと信じこんだ。

彼は12歳から20歳までの武術のすきな少年を、一服もって深い眠りにおとしたうえで、庭園にはこびこむ。アシシン<刺客>に仕立てるためである。美女たちは満足のゆくまで接待し、青春の歓びをみたす。

アロアディンは素朴な住民に彼こそ偉大な預言者だと信じこませる。アシシン<刺客>を送ろうとするときは、また一服もって眠らせ宮廷にはこびこむ。青年にどこから来たかと聞くと、当然マホメットの言う楽園にそっくりの楽園から来たと答える。

そこで殺人の任務を伝える。帰ってきたら天使がお前を楽園に連れていく。たとへ死んでも楽園に行ける。そこで死の危険をおかして命令を遂行することになる。

 君主たちは恐怖心をかきたてられ臣下となった。何人かの部下たちはアロアディンをまね同じことをやっていた。一人はダマスクス領内で、ひとりはクルディスタンで・・・。

 1252年、後にイル・ハーンとなったフラグはこの悪行を聞き、この城を攻撃した。非常に堅固であったが3年目に食料が尽き陥落した。
                                                            <物語終り>

<コメント>
 「アルカイーダ」は、アルは定冠詞、カイーダは基地、要塞、塁、城を意味し、英語の The Base に相当する。上述アロアディンがつくったものはまさしく「アルカイーダ」である。アロアディンはウサマ・ビンラーディンということになり、アルジェリア人質事件の首謀者ベルモフタールはウサマ・ビンラーディンをまねて同じことをやった何人かの部下の一人なのか。このようなことが13世紀のマルコポーロの時代から間断なく続いてきたのであろうか。

 砂漠という厳しい環境だから人間はこのような「性悪説」に基づく行動をとるものなのだろうか。
日本でも「オウム」のテロがあったから,自然環境の厳しさだけによらない、誘惑するような要因があるのかも知れない。



<注1>ムラヒダ地方;イラン北部のアフガニスタン国境に近い地域、またはアフガニスタン? その辺
<注2>本棚を探したらあった。古典に類する本は捨てないようにしている。
     マルコポーロ 東方見聞録 青木富太郎訳 教養文庫 社会思想社(1969年)pp36ー37(上部写真)
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