FC2ブログ

北野幸伯  「日中戦争は始まっている」

北野幸伯 (きたの よしのり)
令和の覚悟 「日中戦争は始まっている」
中国に勝つ日本の大戦略は“謀を伐つ”
月刊WiLL 6月令和特大号 2019 JUNE、pp266~272

※ほぼ毎号購読する『月刊WiLL』に北野氏の記事があった。『月刊Hanada』(花田凱紀編集長、元文芸春秋編集長、元WiLL編集長)を読むこともある。最近「文芸春秋」はご無沙汰である。

      thF0HUJ1Q2.jpg

北野幸伯 (1970~)
・1990年ソ連外務省付属のモスクワ国際関係大学(MGIMO)予科に入学、同大学を日本人として初めて卒業(政治学修士)した。
・2018年の大統領選挙で、ネット上の世論調査では共産党グルディニン氏がトップの座をキープしていたが、プーチンの圧勝に終わった。氏は、日本でもネットから情報を得る若年層の自民党支持率が高いことと同じ現象と分析している。
・帰国;ネットが反プーチン、テレビが親プーチン。プーチン政権の当然(?)のネット規制で仕事にならず、今年帰国した。平成の30年間が在モスクワ、令和とともに帰国したことになる。活躍を期待する。
・MGIMOに留学生が多かったが、モスクワ市民を含めほとんどが『親日的』。 『自虐史観』は「大嘘」であることに気づいた。


「日中戦争は始まっている」
・ロシアで国際関係を学びプーチン外交を間近で見てきて日本が再び国際社会で「敗者」にならないか心配。日本にはリアリズムの「戦略論争」がない。
・「日中戦争は始まっている」というと「危険な人」「ネトウヨ」「陰謀論者」などとレッテル張りをされるが、2012年、中国はロシアと韓国に対し『反日統一共同戦線をつくろう』と提案している。
・領土問題:北方領土、竹島、尖閣、沖縄の領有権は日本にない。反日統一戦線には、米国も引き入れなければならない。すなわち、米露韓と一体になり日本をつぶす。
・中国の戦略:バランシング;内的バランシング戦略=自国の軍備増強、 外的バランシング戦略=同盟、友好関係 
日本は中国に連戦連勝するも最後に敗北した。中国が勝利したのは、米国、英国、ソ連が味方だったからである。
・孫子;「上兵は謀を伐つ。その次は交を伐つ。その次は兵を伐つ。その下は城を攻む。城を攻むるは己むを得ざるが為なり」


日本の戦略的対応
① 日米の同盟関係をますます強固にすること 
②ロシアとの友好関係を進化させること 
③韓国との関係を維持すること

・世界的戦略家ルトワック氏は安倍首相を「まれにみる戦略家」と絶賛している。
・米国とは、民主党政権で壊れかけていた関係が、安倍首相の努力により修復し、非常に良好な同盟関係・友好関係にある。中国に接近し過ぎず、関係を深化させること。
・ロシアとの関係は領土問題の比重を3割程度とし金儲けの話の割合を増やすこと。北方領土問題の解決は急ぐべきでない。
・韓国との関係は辛抱が必要で、韓国進出企業の粛々たる撤退が勧められる戦略で「法治国家でない韓国では資産を差し押さえられるリスクを避けることが必要である」。韓国経済に大打撃を与えることができる上に、国際的にも理解が得られるであろう。あからさまな「反韓政策」は避ける。
・安倍首相の続投が望ましい。世界的には決して長すぎる政権ではない。

<所感>
米中貿易摩擦は 『摩擦』などではなく『戦争』である ことが良く分かる。
共産主義独裁国中国が民主化するなら 『皮を切らせて肉を断つ』 くらいの経済的犠牲はやむを得ないだろう。NHKテレビ、テレ朝、TBSなどのニュースを見る限り爪の垢ほどもそれを感じない。
TBSサンデーモーニング(関口宏)では、中国批判は露ほどもなく、トランプべったりで大丈夫か?という安倍批判!! こんなマスコミで丈夫か!日本!!


<お礼>
永らくモスクワに在住していた大学で同級生だったT氏(科学技術系研究職)から北野幸伯氏の話は聞いていた。7ページの完結したこの論文に注目したのは彼の示唆があったからである。お礼申し上げる。 


スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

北野幸伯さん

 北野幸伯さんのメルマガはロシアから帰ったばかりのころから一貫して読ませても
らっていますからもう20年近くになるでしょうか。大局の「予言」がよく「当たる」
ことは確かなようです。やはり、ロシア・旧ソ連流の徹底したリアリズムが彼の世界
政治観の根底にあるのは間違いないと思っています。あと、日本の「国益」レベルの
思考についても、彼の愛国心がリアリズムに徹していることを強く感じます。中国共
産党がその世界戦略の一環として尖閣列島と沖縄の取得を基本的に必要としている、
という見解は以前から強く主張していました。私の心中では、正直、彼が心情的にロ
シア側に立っているため、その結果として中国が「悪者」になっているのかな、とい
う感じがなくもなかったのですが、最近のアメリカの対中政策(経済「戦争」)を目
の当たりにすると、やはり、彼の言うことがかなり(「完全に」ではないかもしれな
いけれど)正しいのかな、と思っています。

 ロシアがらみといえば、先日の丸山某議員の「戦争で北方四島を取り戻すことをど
う考えるか?」と旧島民の長老に問いかけた「事件」は、非リアリズムの極として
まったく北野幸伯さんの対極にあるようです。それにしても、この丸山某の想像力の
無さには呆れを通り越して、心中暗然とします。東大卒→経済産業省キャリアー→維
新の会所属国会議員、という経歴のエリート的華やかさを思うと、今後の日本の将来
はいったいどうなるのか、暗澹たる気持ちです。その想像力の無さと精神的幼児性は
あまりにもお粗末。(数千発の核弾頭を持つロシア<しかも、その一つ一つの威力は
広島型の数百~数千倍>に対して、日本が一体どうやって戦争するのか?小学生にも
わかることでしょう。)

 丸山某のみならず、過日、韓国の空港で酔っ払った挙句「韓国のやつらは大嫌い
だ!」とダダをこねて大暴れし、世界中に日本人の大恥をさらした国交省キャリアが
いましたが、丸山議員の件とともに、まさに、日本のエリートの精神的「幼児化」を
世界にバラしたいい例ですね。一般庶民なら居酒屋談義で許されることも、公共の場
にある時のエリートたちには許されないはず。想像力に欠け、かかる幼児性に富むエ
リートが増えてゆく日本の将来は、今後ますます熾烈になる世界政治の場でいったい
どうなってゆくのでしょうかね?考えただけでもゾッとしますが、年寄りの取り越し
苦労であってくれることを願うばかりです。

 かつて塩野七生の「ローマ人の物語」を読んだとき、『外交は武器を用いない戦争
であり、戦争は武器を用いた外交である』という言葉があって大変印象的でした。
(塩野自身の言葉なのか、それとも何かの古典からの引用なのかはハッキリしません
でしたが…) 北野幸伯氏ならとっくに体得している事柄でしょうが、丸山某などが
これを読んでいないことは確かですね。日本のいわゆるエリート教育が根本的欠陥を
はらんでいることは確かなように感じられる昨今です。文部科学省は「我れ関せず」
のように見受けられますが。

 あと、最近気になっている論客に三浦瑠麗という女性がいます。まだ30代後半、一
児のママとのこと。よくテレビに出てくる、やはり東大卒エリートですが、彼女の著
作は読んでいないものの、新聞などでの彼女の論調は徹底したリアリズムであること
に強い印象を受けています。例えば、世界で徴兵制を採用している国ほど実際には戦
争に巻き込まれていない歴史的事実がある、という指摘などは大変面白いと思ってい
ます。だからと言って、すぐに日本にも徴兵制を導入すべし、とは言っていないよう
ですが、憲法改正問題に対してただただ観念的に、ときにヒステリックに(例えば、
「安倍首相の人格が嫌いだから」などと)反対する「リベラル」派に比べると、はる
かにわが国の国益、あるいは世界の常識に沿っているように思えます。ちなみに、三
浦瑠麗さんの夫(三浦清志氏)の父親は私の北大恵迪寮時代の一年先輩の三浦清一郎
さん(元九州女子大副学長)。三浦先輩は大学院時代にアメリカ留学し、その時に知
り合ったアメリカ人女性(清志氏の母親)と結婚しました。二人が帰国したころ(40
年以上前)、寮生仲間で新宿で帰国・結婚祝賀会をやったことがありましたが、誰か
が新婦に ”How old are you?” とズバッと尋ねたので、まわりはギョッとしました
が(とくにアメリカでは女性に年齢を訊くのは大変失礼、と聞いていたので)、意外
に彼女はニコニコ笑いながら ”I am XXX years old.” (XXXの部分は失念) と答え
たのが印象に残っています。いい人柄のアメリカ女性だということがよくわかりまし
た。

 北野幸伯さんの話に戻ると、彼の偉いところは、単に政治評論だけにとどまらず、
今後、少子高齢化とともに急速に人口減少し、国力の衰退してゆくといわれる日本の
悲観面にまっすぐに向かい合い、今後の日本人の精神的ありかたとして「家族大切主
義」を提唱していることが、並みの政治評論家と違うユニークさかと思います。最近
そのあたりの新著を出したようですから、読んでみようと思っています。
プロフィール

 辻 幸弥 (つじこうや)

Author: 辻 幸弥 (つじこうや)
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR