食料自給率 農業問題2

カロリーベース食料自給率を下げている主な要因

1 日本の穀物生産の実情
  瑞穂の国の伝統的な主食=カロリー源=米は、何割かパン食に代わられ、食事の多様化・嗜好化もあり、消費量が低迷している。減反と称し、国策で作付面積・生産量を制限している。

  また、小麦、とうもろこし、大豆などの穀類は輸入価格が安価で国内の販売価格も安く、日本の農家にとって魅力的な作物ではない。言い換えると、これら穀類は、生産規模、栽培技術などで、国際競争力がなく、生産量が少ない。 

2 作物の高級化・嗜好化
  農家は果物、野菜、肉類、花卉など高価格で売れる作物を栽培・生産し、さらに品種改良するなどして収入の増加を図っている。工業製品の輸出などで日本の国が富み、食事の嗜好化が進み、購買能力・消費能力が大きくなったことに支えられている。

  「我々が作ったものを高給取り達が買ってくれる。ありがたいものだ」昭和40年代生家の隣の農業後継者が語っていたことを思い出す。しかし、果物、野菜などはカロリーが少なく、カロリ―べース食料自給率への寄与率は小さい。

  友人は田圃を委託栽培に出し、花とメロンを主に栽培している。奥さんはフラワーアレンジメントの資格を取り、楽しみながら花を拡販している。地産地消だけではなく、東京銀座のアンテナショップまで・・・。しかし、花はどんなに高級で高く売れようと、カロリ―べース寄与率はゼロである。

3 肉食の非効率性
  食事の嗜好化で、食肉の消費量が増えたが、精肉を1㎏生産するのに必要な穀物(餌、とうもろこし)の必要量を次に示す。
  牛肉11㎏、豚肉7㎏、鶏肉4㎏、鶏卵3kg 
  ※ 牛肉25㎏、豚肉4.8㎏、鶏肉3.9㎏
  ※ 牛肉10㎏、豚肉4㎏、 鶏肉2㎏  などのデータも発表されている。

  食肉は主として輸入穀物を餌としているから、カロリーベース食料自給率計算の分母を大きくし、分子に殆ど寄与しない。即ち、カロリーベース食料自給率を著しく低減させる。



<考察>
1 日本の農業はカロリーが高い穀類のうち、まともに生産しているのは米だけである。農家は収入機会最大を求め高収入を得るために経営努力し、高級な果物、野菜、肉類、花卉などを栽培・生産し、日本の生産額ベース自給率65~70%を達成している。これは日本の国が富み、食事の嗜好化が進み、消費者の購買能力・消費能力が大きくなったことに支えられている成果でもある。生産額は先進国で米国に次ぐ第2位、生産額ベース自給率でも先進国第3位である。

2 農家が満足しているかどうかは別にして、現在、日本の農家は比較的豊かで恵まれていると思われる。よく言われる日本の農業が斜陽産業であるという認識は、一面しか見ていない偏ったものである。

3 一方、カロリーベース自給率は40%程度と低いが、この原因は生産者の問題ではない。国土・耕作地が狭く、米以外の主食穀物、飼料穀物は国際競争力を持ち難いからである。また、米食が消費者の嗜好により減少したことも一因である。

4 農林水産省(国)は、カロリーベース自給率が低いことを大きな問題とし、その対策に高額の税金を注いでいる。しかし、まず、農業という産業を成り立たせる政策こそ重要である。国に足を引っ張られながらも、幸い農家の努力で、日本農業はある程度のレベルにある、というのが私の現状認識である。


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