食料自給率  農業問題 1

日本の食糧自給率が39%。農林水産省から今年も発表された。
日本農業の実態と評価は?  問題点や理想は? 


日本の食料自給率の推移(%) ※1
  02年  03年 04年 05年 06年  07年  08年  09年  10年 11年
   40   40   40   40   39   40   41   40   39   39
   69   70   69   69   68   66   65   70   70   66
  (上段;西暦年度  中段;カロリーベース※4  下段;生産額ベース※5

2009年度主要先進国のカロリーベース自給率の順位と自給率(%) ※2
 1位カナダ223 2位オーストラリア187 3位アメリカ130 4位フランス121 
 5位ドイツ93 6位スペイン80 7位スウェーデン79 同率9位オランダ65 
 イギリス65 10位イタリア59 11位スイス56 12位韓国50
 ノルウエー43 日本40 台湾32 


農業生産額 2005年度国際連合食料農業機関(FAO)発表 ※3
 1位中国 2位米国(1775億ドル) 3位インド 4位ブラジル 5位日本(826億ドル) 
6位フランス(549億ドル) 7位ロシア 13位ドイツ(379億ドル) 
17位オーストラリア(259億ドル) 18位イギリス(184億ドル)
 
農業生産額の異論
 ※3の日本のデータは国内の価格換算値(実取引)である。例えば2009年国内生産者米価は16,773円/60㎏であるが、FAOはタイ産精米の輸入価格1,573円/60㎏に近い291ドル/トンで計算している。全品目をこのような国際流通価格として計算すると、826億ドル=約8兆円(農水省発表8.5兆円)は1.5兆円まで減額する。日本は生産額世界第9位、先進国では英国と並んで第6位になる。

異論の評価
 タイ産は長粒米である。異論では、せめてカリフォルニア米の輸入価格(価格例;95円/㎏=5,700円/60㎏)を用いるのが日本人の好みを入れた評価であろう。野菜、果物、花卉などは高品質と地産地消の立場から※3のデータは妥当と思われる。確かに※3は保護された農業生産額であり過大な評価値である一面はあるが、現在の日本農業の実際の生産額=収入額であることに間違いはない。

※1 平成23年度食料自給率をめぐる事情 平成24年8月 農水省(ネット検索)
※2 諸外国の食料自給率(カロリーベース)の推移(1961~2011) 農水省(ネット検索)
※3 日本は世界第5位の農業大国;浅川芳裕著 講談社+α新書
※4 カロリーベース食料自給率=(国産+輸出)/(国産+輸入―輸出)
※5 生産額ベース食料自給率 =(国内生産額)/(国内生産額+輸入額―輸出額)



<考 察>
 問題視されている40%前後の自給率はカロリーベースである。国産米食から輸入小麦パン食への変化、収入増による食事の肉食化、など贅沢になったことが原因でカロリーベース自給率は低下している。日本人の嗜好により低下しているのである。農業は収入機会最大を求めるビジネスであるので、農水省が大好きなこのカロリーベース自給率という指標には問題がある。

 生産額ベース食料自給率で100%を上回る先進国は米国とフランスだけで日本の65~70%はそれに次ぎ3位。4位ドイツ、5位英国。生産額ベース自給率より評価すると先進国の中で日本は農業大国である。この事実は、最大収入機会を求める農家の経営努力によるもので、農水省は足を引っ張っている可能性さえある。

 農業生産額は人口が多い中国(13.5億人)、インド(12億人)が1位、3位を占める。2位の米国(3.1億人)は先進国であり農業大国でもある。4位のブラジルは人口約2億人の農業大国。それらに次ぐ5位の日本(1.28億人)は農業生産額で農業大国といえる。6位のフランス(0.65億人)は先進国で農業国である。

 日本の農業は保護されているが、保護はプラスに働く場合とマイナスに働く場合の両面があり、農水省の過剰な関与には問題がある。
 
    
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