防潮堤

防潮堤       濱口梧陵が構築した防潮堤 和歌山県広川町

東日本大震災から3年
2014年3月11日現在:死者15,884人、 行方不明者2,633人、 避難者数約267,000人


防潮堤

今、防潮堤が話題になっている。
私は自分が住民ならばまず防潮堤には基本的に反対である。海が見える景観が大切だからだ。
ただし、普代村、田老、山田、田野畑など先祖伝来繰り返し津波の経験をし、
その知恵の集積として防潮堤を築いているところは、この議論の対象ではない。

1, 000年に一度の大津波というが、
1,000年単位で考えたら海岸線なんてどのように変わるか知れたものではない。
温暖化、寒冷化どちらに向かうとしても海岸線は動くのだ。
この年代スケールでは守るべき海岸線などあやふやなのだ。
貝塚の分布一つをみても、防潮堤計画のスケールを越えているではないか。

1000年に一度の大津波に対策するのはバカ馬鹿莫迦げている
1000年に一度の大津波は「てんでんこ」に逃げるしかないのが基本だ。
「大船渡の奇跡」を奇跡にしない知恵こそ大事なのだ


この観点からは宮城県知事村井嘉浩の考えは間違っているし、住民が正しい
住民の意見の多くは計画の防潮堤は高すぎるから低くして欲しいというものだ。
被災地に生まれ育ち、被害を経験し、海の恩恵で生きてきた人々、の意見は傾聴に値する。
知事は税金で作るからからには中途半端な役に立たない防潮堤をつくるわけにはいかないという。

自衛隊出身というが、行政は上官が兵隊を命令で動かすようなわけにはいかない。
何が中途半端か、そうでないか、示すことも定義することもできないはずだ。
役に立つ防潮堤の定義を教えてほしいものだ。
行政とは住民の意見、意向に沿うもので、押し付けようというのは自惚れであり許せない行為である。

漁港(漁業権)についても、防潮堤についても、岩手県は行政の対応が宮城県より柔軟である。

たとえば陸前高田の高田松原があった海岸。私はここで遊んだことがある。
松原をもとへ戻したい、復旧させたいという思いが先に立つ。おそらく住民もそのように思うだろう。
松原をつくったらよい。その後ろまたは真ん中に土手を築く。これで景観は変わらない。 
土手は芝生と背丈の低い灌木林にする。地元の山の野生のつつじもいいだろう。


私が尊敬する東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授(52)は「防潮堤はコンクリートの壁という先入観があるが、景観や生活の中に位置づける案もある」と柔軟な対応を提案する。前案はこれに合致するものである。



稲むらの火
次の挿話より、「稲むらの火」は誰でも知っている話ではないようだ。

2005年1月、インド洋大津波をうけてジャカルタで開催された東南アジア諸国連合緊急首脳会議でシンガポールのリー・シェンロン首相が当時の小泉純一郎総理大臣に「日本では小学校教科書に『稲むらの火』という話があって、子供の時から津波対策を教えているというが、事実か?」と尋ねた。しかし、小泉はこの話を知らなかった。東京の文部科学省に照会したが、誰も知らなかったということである。(少し小泉の悪口を言いたい気分なのでここにこの挿話を入れた(^^♪)

「稲むらの火」の話は省略する。モデルである濱口梧陵の防潮堤の話である。
濱口梧陵(儀兵衛)1820年(文政3年)紀伊国有田郡広村(現和歌山県有田郡広川町)に生れ、66歳で亡くなった。ヤマサ醤油 7代濱口儀兵衛である。ヤマサ醤油は紀州、銚子、江戸の海洋、河川交通を利用したスケールが大きい家業であった。


政治家として1868年(慶応4年、明治元年)には、商人身分ながら異例の抜擢を受けて紀州藩勘定奉行(のちの出納長に相当)に任命され、後には藩校教授や大参事(のちの副知事に相当)を歴任するなど、藩政改革の中心に立って紀州藩・和歌山県経済の近代化に尽力した。その後、1871年(明治4年)には、大久保利通の要請で初代駅逓頭(えきていのかみ)(郵政大臣に相当)に就任するが、権頭(次官)であった前島密との確執もあって半年足らずで辞職する。官僚より民間で活躍するのが似合う人だったのでしょうね。

濱口梧陵は稲むらの火にあるように大津波の被害にあい経験した。そこで故郷広村に防潮堤を築いた。
津波にあったのは、35歳のとき、「稲村の火」に記述されているような老人ではない。
「稲むらの火」にとどまらない広い分野で活躍した偉大な人物であった。

下に示すのが広村の防潮堤の断面図である。
陸前高田にはこのような防潮堤が似合う。
土手の高さは成長した松の木の高さを越えることはないだろう。
 

防潮堤
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