作家 佐藤賢一

佐藤賢一       1                                                             佐藤賢一

作家 佐藤賢一

直木賞を受賞したとき、受賞作『王妃の離婚』(第121回直木賞受賞作、1999年)や『傭兵ピエール』などを読んだ。佐藤賢一は高校(鶴岡南高校)、大学(山形大学教育学部卒業)とも藤沢周平の後輩であるが、その後作品の発表が少なく寡作の作家と思っていた。私にとって寡作イコール駄目な作家である。しかし、そこには深い苦悩と壁があったようだが、振り返って気がついてみるとかなり膨大な作品の蓄積がある。今や有能な作家の一角をなしている。

小説フランス革命』12巻はじめ、ノンフィクションの分野まで精力的な仕事ぶりである。ヨーロッパの中世を舞台とする歴史小説が主で、『小説フランス革命』12巻は、塩野七生の『ローマ人の物語』を彷彿とさせるものがある。

NHKの「100分de名著」で佐藤賢一の『モンテ・クリスト伯』(岩窟王)を中心としたアレクサンドル・デュマ論、すなわち、新聞小説論、連載小説論を観た。『黒い悪魔』『褐色の文豪』『象牙色の賢者』で、三代に渡るアレクサンドル・デュマ(トマ、大デュマ、小デュマ)について、それぞれの生涯を一冊ずつ書いている。デュマ論は一つの小説論の体系をなすことが理解でき、面白かったし、さすが三代にわたり、デュマを書いているだけのことはあると思った。

歴史小説と言ってもヨーロッパが舞台では読者層を広げるには難しいようにも思える。上述の『傭兵ピエール』は漫画の原作にもなったようだが、力量で壁を破り、ブームを起こしてほしいものである。

小説「新徴組」を書いている。鶴岡生まれ、鶴岡在住であるから「新徴組」を書くのは彼をおいて他に人はいないであろう。しかし、「新選組」に比べると地味である。新選組だって小説や映画や漫画などにくりかえし取り上げられたから、人気があるのである。

清河八郎を司馬遼太郎がどのように冷たく書こうが「藤沢周平」は優しい心で書いている。私は「生死」をはじめ何もかも「坂本竜馬」の5年先を走った「清河八郎」は清河八郎なりの歴史的役割を演じたと思っている。

小説「新徴組」は、庄内藩の側から書いた戊辰戦争の歴史小説である。「新徴組」も「新選組」ももとをただせば庄内藩出身清河八郎の浪士組を源とする。今は歴史ブームである。このブームに乗って、佐藤賢一、新徴組、庄内藩の戊辰戦争がもっと知られればよいと思う。


佐藤賢一氏は31歳で直木賞を受賞し、現在45歳。藤沢周平が小説を書きはじめ、直木賞を受賞した年齢とほぼ同じである。直木賞を同時に受賞した桐野夏生はもう63歳である。これからの活躍を期待する。

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