「アベノミクス」と「内閣人事局」  後編 「内閣人事局」

国会議事堂  国会議事堂

「アベノミクス」と「内閣人事局」

 後篇  「内閣人事局」

安倍氏は第一次内閣のとき、官僚が国会議員を差し置いて実体的に政治を差配するのはよくないと、法改正に着手した。その「国家公務員制度改革基本法」は<次の福田康夫内閣のとき成立>し、基本法を踏まえ幹部公務員の人事は「内閣人事局」が行う「幹部公務員法」も立法化する段取りだった。

各省が自省の人事を取り仕切る現行システムは、省益を謀る公務員しか作らない。視野が広い「国家的発想」、「戦略的発想」ができる官僚を育てるには、幹部(600人くらいという)の人事考課を、内閣で一括して行うのが最善の策だ。


麻生太郎内閣でもその法案作成は続けられたが、麻生氏の「オレは官僚バッシングはしない」の一言で、時の人事院総裁谷公士は、麻生氏が招集した会議をボイコットし、法案作成を潰した。まるで組閣におけるかつての陸軍省のような行動だ。「官僚は使うもの」というのが麻生氏の口ぐせだが、鈍感な麻生氏は官僚に裏切られたことに気付いてさえいない。

安倍首相は、稲田朋美行革担当相に、「内閣人事局」構想を具体化して今秋の臨時国会に提出するよう命じているという。しかし、与党内には制度改革の意味が分からない“親分肌だけの議員”や改革に反対する“官僚出身の議員”も少なくない。また、財務省などは必死の反対工作をしている。人事院は懸命に法案の骨抜きを図っている。マスコミも足を引っ張る。

安倍首相と菅義偉官房長官は最強・絶妙のコンビである。(安倍晋三は管義緯が怖いらしい。この二人の仲は仲良しクラブからは最も遠い。)この2人が中心になって、本省局長級の大量異動(6月28日現在、112人)を実施し、内閣がやりたい政策を実行する人を局長に任命した。幹部たちは戦々恐々として首相と官房長官の動きをうかがっているから、波風が立たず、今の安定状況がある。

腕力が強い安倍、菅両氏の連携があるから官僚がおとなしくしているわけであるが、これを法律により制度化しなければ、凡百の内閣では機能しなくなる。日銀の制度改革も同様に法制化しなければならない。

消費税を5%から8%に上げたのは財務省との折衝で安倍首相が敗北し言いなりになったためだという論調がある。私は決してそうは思わない。確かに消費税増税は「アベノミクス」にとって大きな障壁となる。絶対越えられない障壁だと滔々と得意げに述べる評論家が何と多いことか。

消費税増税は財務省への貸しとして徹底的に利権を吐き出させればよい。これまで不発だった「第3の矢」はこれによってようやく完成し、実効的なものとなる。

日本の国策がチマチマしスケールが小さいのは、優秀な学生が国家公務員になっても、制度として「国益より省益」の枠に閉じこめ、人材をこじんまりとした型に嵌めるからである。型枠からはみ出したスケールが大きい人材は出世からはじき出されるか、辞めるしかない。「内閣人事局」制度はスケールが大きい人材を育て、日本が悠久に発展するための礎石となる。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

 辻 幸弥 (つじこうや)

Author: 辻 幸弥 (つじこうや)
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR