トリチウム放出の現実

トリチウムの濃度変化

12.3年が半減期であることを補外すると、図2から、1960年代初頭のベクレル値はかなり高い。

トリチウム放出の現実

前稿「トリチウム(三重水素)の処理」には賛同を得にくいようだ。
簡単に賛同されても困るのだが、さらに、トリチウムに関する説明と、現実を記す。
以下のトリチウムの説明に、ベクレル値としてはとてつもなく大きな約2000京という値が出てくる。

地球上の降雨中のトリチウムの濃度変化
①「核兵器」「原発」以前は、0.2~1ベクレル/リットルであった。

②大気圏内核実験が頻繁におこなわれた1960年代半ばの濃度は、100ベクレル/リットルだった。
※わが国において核実験開始前に測定された降水中トリチウム濃度は0.77ベクレル/リットルであったが、
 1960年代の初めには12~180ベクレル/リットルまで増加した。

③現在の濃度は、1~3ベクレル/リットルである。
 福島の水道水には、1.4ベクレル/リットルの測定結果がある。


トリチウムの発生・生成と排出・放出
○地球上で自然発生した存在量;10~13京ベクレルと推定されている。大気中の窒素・酸素と宇宙線の反応で生成する。

○1954年3月1日にビキニ環礁でアメリカが実施した水爆実験では、2.0京ベクレル 以上が大気中に放出された。(アメリカ合衆国、旧ソビエト連邦(ロシア、ノヴァヤゼムリャ島など)、イギリス、フランス、中華人民共和国)

○ 1963年の大気圏内核実験停止条約締結までに、天然起源の200倍程度(約2000京ベクレル)のトリチウムが放出されたと推定され、その結果として環境中トリチウムレベルは大きく増加した。1963年以降は核実験起源の大気中トリチウムは物理的崩壊および海水中への移行により、減少傾向を示している。しかし、海洋との接触が少ない大陸では核実験起源のトリチウムがまだ残存している。


トリチウムの排出量と測定値
○海水の日本国内で測定された最高値の経緯は、
・1990年1月1日190 ベクレル/リットル:東海再処理施設の排水の影響により、茨城県東海沖
・1991年2月18日490ベクレル /リットル :美浜原発の放射能漏れ事故の際、福井県美浜沖の海水
・2013年6月21日1100 ベクレル/リットル:原発事故を起こした、福島第一原発敷地内の専用港

○原発におけるトリチウムの蓄積(ベクレル/年) 
出力100万kWの軽水炉を1年間運転すると、
・沸騰水型軽水炉では約20兆ベクレル
・加圧水型軽水炉内には約200兆ベクレル蓄積する。
・カナダで開発されたCANDU炉では重水(D2O)を減速材としているためにさらに大量のトリチウムが生ずる。
 韓国に導入されている。(排出は次項参照)

○2009年度排出量(ベクレル/年)
・沸騰水型原子炉;福島第一原発2兆ベクレル/年   福島第二原発1兆ベクレル/年  
・加圧水型原子炉;泊原発30兆ベクレル/年  伊方原発57兆ベクレル/年  玄海原発81兆ベクレル/年  
・CANDOU型;ブルース発電所1280兆ベクレル/年(カナダ2012年)  
 月城原子力発電所(韓国、日本海沿岸)も同型炉4基と加圧水型2基 (沸騰水型炉の数100倍か?) 


再処理工場からのトリチウムの計画放出
それぞれの原子炉で生成されたトリチウムが入った燃料棒を扱うために、一つの施設あたりの計画放出量は原子力発電所よりも大きくなる。 
六ヶ所村再処理工場では、年間800tの使用済核燃料を処理する予定で、排水中に1.8京ベクレル、排気中に1900兆ベクレルを放出管理目標値としている。(放出される水を摂取しても大きな被曝線量にはならないとしている。)


トリチウムの実効線量
最近の雨水中のトリチウム濃度を2ベクレル/リットルとして、この水を1年間摂取すると、実効線量は約0.00004ミリシーベルトになる。ふつうの人がトリチウムによって受ける年間実効線量はこの程度であろう。(③参照)


最近の福島第1原発の海水のトリチウム濃度分布
平成23年6月13~14日の福島第一原子力発電所周辺の海水中のトリチウム濃度分布はNOT DETECTABLE
※NOT DETECTABLE;検出限界値約120ベクレル/リットル;検出感度を落とせば何時でもNOT DETECTABLE
<コメント>検出感度を上げて測定しないと意味がないだろう。無責任な発表とも思えるが?
出典;http://eq.wide.ad.jp/files/110625tepcoocean4.pdf   東電が測定、文科省が作成

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