地震研究 国の計画大幅見直しへ


① 一部の研究を縮小:地震発生のシミュレーションをする研究を縮小する。
② 地質や地形学的な研究を強化する。地層に残された津波の痕跡や地震によって変形した地形の調査などを強化


 東日本大震災を予測できなかった原因について、地震発生のメカニズムに関する一つの考えにとらわれ過ぎて、地質や地形に残された過去の地震の痕跡を研究する観点が不足していたと、これまでの反省点をまとめた。地層や池などに残されている津波の堆積物の調査や古文書の調査、それに地形の調査などを強化する。この見直し案は来月開かれる国の科学技術・学術審議会に提出される。



 このブログで主張してきたことにようやく気がついたかという思いである。地震学という特別な分野は存在せず、地質学という地に足がついた手法を地道に積み上げることが大切だということである。今は、原発が立地する場所の活断層の再調査が重要である。電力会社の調査結果が出ているが、それだけでは当然片手落ちである。

 根拠になるデータがなければスーパーコンピュータを用いても意義ある見解が得られないのは自明の理である。それは地震予知と称するコンピュータゲームに過ぎない。

 この見直しは、東北大学の箕浦教授、北大の平川名誉教授、高知大学の岡村名誉教授の研究が地震学の研究を上回っていると認められたことを意味する。南海トラフの巨大地震の死者最大32万3千人もこの研究に基づいていると思われる。

 過激と思われるだろうが、重要な問題点がもう一つある。東日本大震災を予測できなかったという表現である。地質学者は立派に予測していたが、地震学がじゃまになっていたのである。特に箕浦教授の研究は今に始まったものではなく、その蓄積が、平川、岡村教授の研究につながり、さらに今回の「国の計画大幅見直し」につながったのである。

 日本では成り立ちにくい議論であるが、イタリア的論理では、検察が地震学が邪魔をしたと訴えるのではないだろうか。地震学会という看板が地質学的、地形学的研究の前に立ちはだかり邪魔になっていたということである。科学分野にも権力や派閥があるのか。もしあるなら、その解体が必要である。


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地震予知失敗で禁固6年

イタリア地震予知失敗で禁固6年の判決(2012年10月22日)

 2009年イタリア中部で発生し、死亡309人、およそ1600人が負傷した地震を適切に予測出来なかったとして、イタリア中部ラクイラの裁判所は、国立災難予測・対策委員会の科学者6人と政府担当者1人に、検察側4年の求刑に対し、6年の禁固刑を言い渡した。なお、まだ上訴の機会は2度ある。

 地震前6カ月間に数百回の弱い群発地震が感知されていたが、M6.3の地震発生の6日前に「危険はない」と発表、住民が逃げ遅れるなど甚大な被害を招いたとされた。

 科学を裁くことはできない、など、議論が多いが? 「地震予知のけじめ」(10/24)を考える参考になる。


 カテゴリ 「原発事故と津波予知1」 をクリックすると、「地震予知のけじめ」 と対比できます。

地震予知のけじめ

 
 日本には総括がないと言われる。けじめがないともいう。 

1.地震予知の歴史 
  地震予知に関する研究が始まって50年になる。

昭和37年(1962):地震学者のグループの提言;観測網を整備すれば10年後には地震予知に十分な信頼性を持って答えることができる。

昭和40年(1965):地震予知計画;本格的研究開始

昭和51年(1976):東海地震説を発表。直前予知により被害を防ぐための法律、観測態勢を強化した。

昭和53年(1978):大規模地震対策特別措置法(大震法);東海地震の予知 首相による警戒宣言発令

平成7年(1995):阪神・淡路大震災;予知されていない。地震研究の態勢をさらに強化

平成23年(2011):東日本大震災;予知されていない。

※本ブログでは地震学会の「東日本大震災は予知されていない」という立場を否定する。東日本大震災は予測されていた。たとえ研究者本人が予知に至らなかったと言ったとしても、立派に予測していた。


2.函館市でおこなわれた日本地震学会で地震予知に関するシンポジウムが開かれた。
  日時;2012年10月16日(火)~10月19日(金)

地震予知;出来た事例はない。このまま研究を進めても予知につながらない。
     地震学の敗北である。けじめが必要であるということである。
    (地震研究者大勢の意見。もちろん反対意見もあったようだ。)

地震予測;時期や場所をある程度絞り込む予測は可能になるという意見が大勢を占めた。
     ※東日本大震災は予測されていた。


「地震予知に依存しない防災体制の構築」が必要である。(某新聞)
 これを国民に分かるように宣言する必要がある。廃止する法律は?
 地震予知の研究予算は縮小するのであろうか。

※前兆現象からの地震予知の可能性を期待していたが、それも難しいらしい。


 カテゴリ「原発事故と津波予知1」をクリックするとこの項と※印の根拠「予知されていた東日本大震災の大津波」が表示されます。

貞観津波の規模

10月14日のNHKニュース

(独立行政法人)産業技術総合研究所の震災後の調査により、貞観地震の規模はマグニチュード8.7かそれ以上とこれまでの8.3~8.4より上回る可能性があることが示された。今回の津波は仙台市若林地区で海岸から3キロメートル付近まで津波堆積物が見つかったが、1.8倍の6キロメートル近くまで津波が到達した。この調査をもとに貞観津波の規模を新たに分析した結果、マグニチュード8.7前後かそれ以上になるという結果がまとまった。

津波は海底、海岸付近では巨岩を動かすほどのエネルギーを持つが、海岸から遡上するに従い徐々にエネルギーを失い、砂利、砂などが沈降し、その後も遡上が継続するのであろう。これを実地に調査したデータから修正したのは重要であると思われる。


貞観津波堆積層のまとめ

 箕浦教授が発見した貞観津波の堆積層は、次のことを意味する。

○津波堆積物である。 

○約1000年の周期なので、それが即ち地震・津波の予知情報である。
 
○海岸から遠いので小さな津波は到達せずその堆積層はない。大津波だけの堆積層から成る。

○この津波堆積層に対応する大きな地震空白域が存在する。ここにコンピュータ数値シミュレーションの出番がある。今村文彦教授のグループがシミュレーションを担当した(東大地震研からも参加している)。島崎邦彦東大名誉教授はしきりに空白域に触れているが、このような津波堆積層の調査は空白域発見の一手法として重要である。逆に津波堆積層には必ず地震空白域が対応して存在する。


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